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「木鉢下」とはもともとは木鉢を据える台として利用した丸桶の事でしたがやがてこの桶の中にそば粉と小麦粉とを予め一定の割合で混ぜて入れて保存するようになりそこから木鉢下は桶ではなく中の混合粉の事を指すようになりました
そば粉は殻の付いたままの玄そばと比べてはるかに劣化のスピードが速くなります
ある程度の日数にわたって保管する場合には低温保管する事になりますがその場合そば粉の出し入れの温度差はせいぜい5℃くらいが限度です
それ以上に温度差が開くとそば粉がいわゆる「アセをかいた」状態になって品質の劣化を早めてしまいます
一般に生きている粉は水分を吸収したり吐き出したりして呼吸をしています
この水分の吸収許容量がそば粉は小さく小麦粉は大きいです
この性質の違いを利用したのが木鉢下です
気中の水分が増加してそば粉が吸収しきれなくなった時は小麦粉が吸収し逆に乾燥しすぎた時はそば粉が小麦粉の水分を吸収する事によってそば粉だけで置いておくよりも鮮度の良い状態を長く保つ事ができます