そばどころとして知られる長野・柏原辺りで寒中に作られていた乾燥そばです
厳しい寒気を利用して作るものなので 製造は一月下旬から二月一杯頃までの極寒日の夜が選ばれます
そば粉100%で手打ちにしたそばを茹で 二本の指に巻きつけて小さな輪にまとめます
1㎏の粉から120玉くらいできます
これを簾や大きな籠の上に並べ そのまま養蚕棚などの上に載せて屋外に出し凍らせます
最低気温が零下10℃以下に下がらないと良い状態には凍らず 零下15℃位が最適と言われております
しかも晴れている日でなければいけません
一晩外で干しカチカチに凍らせたそばは朝日が射す前に納屋に取り込み風通しの良い場所で一ヵ月間陰干しにします
いったん凍ったそばは 少し解けてはまた凍るという風に凍結と解凍を繰り返すうちに乾燥していきます
この現象は土地の人は「しみかわき」と呼びますが 高野豆腐などにもみられる天然のフリーズドライ製法です