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水ごねと湯ごねの違い

 

「水ごね」と「湯ごね」の違いは簡単に言えば そば粉をつなげる力としてたんぱく成分を利用するか でんぷんを利用するかという事にある

 

小麦粉のたんぱく成分は水を加えるとグルテンを形成し網の目のようにしっかりと結び付き合って強い粘性を発揮するが 熱湯の中では凝固してしまい粘性を引き出せない

したがってグルテン(たんぱく成分)の力を利用する場合には「水ごね」が適している

 

そば粉にはグルテンはないが わずかな水溶性のたんぱく成分がある

これは水に溶けると粘りを生じるから この力だけでそば粉をつなげることも可能であるが 強い麺帯形成力にはならない

これに対して「湯ごね」では熱湯を加えることによって そば粉のでんぷんを糊化(α化)して粘性を引き出す

でんぷんは水に溶けても糊化しないが 熱湯だとたちまち粘力を生じてお互いにくっつき合う性質を持っている

そば粉のでんぷんの粘りを引き出す作業は「水ごね」によってグルテンを形成させる作業に比べて腕力を必要とせず比較的楽に打てる事から農山村などでは昔から行われてきた

 

信州そばの生粉打ちが代表例だが 東北地方の郷土そばにも多く特に寒冷地でその効果を発揮する

 

また高純度のでんぷん粉であるさらしな粉を打つ時(さらしなそば・変わりそば)に欠かせない技術である