関東風のそば屋でのだしの取り方は 関西風あるいは料理屋風のだしの「ひく」という感じではなく 長時間だしを「煮つめて取る」という方法が一般的です
その違いは まず使用する削り節の厚さに表れています
長時間沸騰させて水分をどんどん蒸発させる事で だしを濃縮させています
これが関東風そば店独自の濃いだしの取り方です
なぜこのような だしの取り方になったのか
一番の理由は 使用する節の種類です
関東風のだしの材料は鰹節を筆頭に鰹節と宗田節またはサバ節と宗田節の併用が多いのですが いずれもカビ付けを施された枯節が使われます
枯節は好まれるのは まずカビが生き物の為 節内の水分を芯から吸い上げて蒸発させ 節を十分に乾燥させている事が挙げられます
よく乾燥した節では 旨み成分のイノシン酸が酵素によって分解されにくくなります
またカビは 節内からにじみ出てくる脂肪を分解する為 脂焼けや魚臭さも防げます
よく「汁にこくがある」とか「どうもこくが足りない」などと言われますが ここでいう「こく」とは節のエキス分が十分に出ているという意味です