そばつゆの理想
味は千差万別といったが そばつゆのあり方として 一つの理想というか基本的な考え方が昔からある
例えば江戸時代末期創業のそば屋の口伝には「理想としては醤油の塩辛さを感じさせず 味醂が入っていて味醂の甘ったるさを感じさせず かくし味の効用を充分に発揮させ鰹節の臭いも感じさせない いわば三位一体となった良い汁を作り出すよう努力することが必要です」とある
(蓮玉庵沢島健太郎の覚書)
このことから意味することは 材料が顔を出すつゆは失格という事である
その理由は そばの風味を妨げず むしろその風味を引き立てる汁が理想だからである