山形県の板蕎麦の紹介の中で 蕎麦のうまさを引き出すつなぎを入れない生粉打ちについて 下記の様に記されています
この地方では大きく丸くのす
それを麺棒に巻き付けのし台に打ちつける
典型的な田舎蕎麦の打ち方と記述があります
このように蕎麦(うどん)では古くから「打つ」「手打ち」という言葉がありその作り方に「叩く」・「打つ」に近い動作があるから「打つ」という語が でてきたものと思うのは自然なことです
著書「風流大名蕎麦」では「実は捏ね上げて玉にした生地を 木槌で「打った」工程がまさしくあったのです という記述があります
この記述を読むと 古くから蕎麦づくりで「打つ」動作があったから 「蕎麦を打つ」としたと考えられます
また別の説では 平安時代から「ほうとう」は打つと言います
中国語の餅をつくるという意味の「打餅」から来ていると考えられます(古く中国では「ほうとう」や「麺」も餅と言っていました)
中国で切り麺が盛んに食されるようになったのは 唐の時代からで呼び方も分化し 餅と麺に分かれました
「麺をつくる」という中国語はいくつかの言い方があり 広東語では「打麺」と言い 麺類の文化が日本に伝わった時に「打餅」「打麺」も伝わりうどんや麺類を作る事を「打つ」「そばを打つ」になったと考えられます
心を打つ・注射を打つ・電報を打つ等動作の内容に関連しない打つはいっぱいあります
これは中国語の「打動」「打針」「打電報」が日本に伝わって「~を打つ」と言うようになったのではとも考えられます