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そば種ものの名前の由来

 

南蛮そばの南蛮の意味

「南蛮」とは ネギの事をいう

場合によっては トウガラシやカボチャなどを指す場合がある

 

これらの野菜も 異国から渡来したことに由来するが トウガラシは南蛮人が辛いものを好んだことから そう呼ばれるようになったとする説もある

 

ただしカレー南蛮の場合は 一般にはネギを使うがカレーうどんには 代わりに玉ねぎを使うことが多いようです

 

なぜ花巻きそばというのか

「花巻き」というのは もみ海苔をちらしたかけそばの雅称で 言葉の由来は浅草海苔のことを「礒の花」にたとえられたことからきている

この花巻きそばが考案・商品化されたのは 江戸・安永年間の頃とされる

 

上等の浅草海苔を散らしたものは 海苔の礒の香りが高く しかもそばの淡い風味に融け合う

また上等の焼き海苔は 汁に渾然一体となって溶け込んで 何ともいえない味になる

そして海苔自体も目が詰まって黒光りして まさに「礒の花」の優美な趣がある

 

この香り・味そして見た目の美しさの組み合わせの妙味が「花巻き」の魅力であり 明治以降もなおしばらく 粋な種ものの一つとしてもてはやされたという

 

なぜおかめそばというのか

幕末頃江戸下谷七幹町にあったそば店「太田庵」が創製したそばの種物

 

具(種)でお多福(おかめ)の顔を仕立てた

上の娘の髪にかたどって島田湯葉を置き 鼻は松茸の薄切り かまぼこを二枚左右に寄せ合わせて頬に作り 口には椎茸を用いた

下ぶくれの顔の形となる

戦前のそば店では 黒髪を思わせる為 湯葉のしたに八つ切りの海苔を敷いたり 若い娘の頬を表すのに 紅渦巻きの鳴門二切れを置いたりした

 

当初は松茸の季節だけ売ったが 後に年中供するようになった

関西風では 髪はシイタケでかたどり そのすぐ下に小田原かまぼこを配して両眼に見立て 鼻は三つ葉 口は京湯葉でこしらえたものをいう